2015年度の男性育休取得率2.6%。取得期間は56.9%が「5日未満」という驚きの実態

我が家は第2子が生後半年を過ぎてからオットが育児休業を取得しはじめました。期間は1歳を過ぎるまで、半年以上になる見込みです。そういえば男性の育休取得率とか平均取得期間って今どのくらいなんだろう?と思って調べてみたら、驚きの事実が判明しました。

2015年度の男性の育休取得率=2.65%

少し前ですが、2015年度の男性の育休取得率が発表されました。

 

男性の育休取得2.65%=過去最高でも水準低く-15年度

厚生労働省が26日発表した2015年度の雇用均等基本調査によると、男性の育児休業取得率は2.65%となり、1996年度の調査開始以来、最高となった。前年度に比べ0.35ポイント上昇し、これまで最も高かった11年度の2.63%を更新した。ただ、男性の取得率を20年度までに13%に引き上げるとする政府目標には遠く及ばず、低水準にとどまっているのが現状だ。

厚労省は取得率上昇の理由について「14年4月に育児休業中の給付金が休業前賃金の50%から67%に引き上げられた影響が大きい」(職業家庭両立課)とみている。

女性の取得率は5.1ポイント低下の81.5%で、2年ぶりのマイナス。従業員数が5~29人の小規模事業所の取得率低下が響いた。

調査は15年10月、5人以上の従業員がいる全国の5850事業所を対象に実施。67.7%が回答した。(2016/07/26-19:41 時事通信社)

男性の育休取得率は目標値にはまだまだ遠いものの、前年度に比べ上昇しているそう。少しずつでも男性の育休が浸透してきてるんだなーと一見受け取れる記事です。しかし、厚生労働省のサイトからダウンロードできる実際の調査報告書 「平成27年度雇用均等基本調査 事業者調査 結果概要」を読んでみたところ、驚きの事実が判明しました!

男性育休の取得期間は56.9%が「5日未満」だった

 

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                                         「平成27年度雇用均等基本調査 事業者調査 結果概要」

図5 男女別、取得期間別育児休業後復職者割合より抜粋

 

報告書によると、平成27年度の2.65%の男性育休取得者のうち、取得期間は「5日未満」が56.9%と最も高いんです!!! 「5日〜2週間未満」「2週間〜1ヶ月未満」を合わせると、「1ヶ月未満」の取得者が8割を超えています。うーん、短い、短すぎる。比較となる平成24年度は育休取得率1.89%だったので、全体としての取得率は平成27年に2.65%と微増しているけれども、「5日未満」の割合が増加し、1ヶ月以上の長期育休取得率は逆に減っているという衝撃的事実が判明しました。

5日未満の育休って一体なんなんだろう

そもそも5日未満って風邪ひいたり身内に不幸があったり、不測の事態が起きたら普通に年休使って休む日数ですよね。上記のニュースだと、厚生労働省は取得率が上昇した理由について「14年4月に育児休業中の給付金が休業前賃金の50%から67%に引き上げられた影響が大きい」(職業家庭両立課)と言っていますが、1ヶ月未満の短期の取得では給付金の額はあまり関係ないでしょう。厚労省のコメントも的外れな気がします。

男性の育休取得率の上昇をアピールしたいがために、超短期でも育休取得を推進する会社があるんではないか・・・?と疑ってしまいますね。

そもそも国が男性の育休を推進している背景は、少子高齢化で労働力が減少し国が縮小してしまう、それを防ぐために男性も女性も仕事と子育てを両立できるようにしていこうという国家政策ではないのでしょうか? 実際に仕事と子育てを両立していこうという覚悟を持って育休を取得するとしたら、「5日未満」という取得期間にはならないでしょう。また、超短期の育休取得者を増やす増やすことが育休制度の目的ではないのでは。

まとめ

2015年度の男性育休取得率2.65%のうち、取得期間は「5日未満」が56.9%で最も高いという衝撃的事実が判明しました。

私は長期の育休をすべての人が取るべきだとは思いません。ただし、育児をしたいと思った男性が取る育休が「5日未満」だなんてあまりに短すぎます。仕事と子育ての両立を目指して育休の取得を考えている男性、もっと長期間とりましょう。

また、制度の利用率の増減だけに注目するのではなく、実際の取得状況もきちんと報道してほしいなと思いました。

以上。

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